育児の柔軟な働き方とは?3歳から就学前の5制度を比較

育児と仕事を両立するため5つの働き方を比較する母親 仕事の選び方

子どもが3歳になると育児短時間勤務の法定対象から外れる場合があり、「フルタイムに戻したらお迎えに間に合わない」と不安になる人もいます。2025年10月1日から、会社は3歳から小学校就学前の子を育てる労働者に対し、法律で定められた5つの中から2つ以上の柔軟な働き方を用意することになりました。

ただし、すべての会社で5つ全部を選べるわけではありません。会社が2つ以上を選んで制度化し、対象となる労働者は会社が用意した措置の中から1つを選んで利用します。この記事では、2026年10月27日時点の厚生労働省の情報をもとに、5つの違い、対象者、確認する順番と会社への伝え方を整理します。

先に結論:会社が5つから2つ以上を用意し、本人はその中から1つを選ぶ

  • 対象年齢:3歳から小学校就学前まで
  • 会社の義務:5つの措置から2つ以上を選んで用意する
  • 本人の選択:会社が用意した措置から1つを選ぶ
  • 事前案内:子が3歳になる前の適切な時期に個別周知と利用意向の確認を行う
  • 別制度:残業免除、時間外労働・深夜業の制限、子の看護等休暇は別に確認できる

「法律が変わったので週2日在宅勤務を必ず選べる」とは限りません。テレワークを含まない2つを会社が選ぶことも可能です。まず自社が選んだ措置と利用条件を確認します。

柔軟な働き方を実現する5つの措置

措置働き方の変化法令上の主な基準向きやすい事情
始業時刻等の変更フレックスタイム、時差出勤始業・終業時刻を柔軟にする送迎時刻をずらせばフルタイムで働ける
テレワーク等通勤せず働く日を設ける月10労働日以上利用可能、原則時間単位通勤時間を減らしたい
保育施設の設置運営等事業所内保育、ベビーシッター手配・費用負担等保育の便宜を提供預け先や延長保育が課題
養育両立支援休暇所定労働時間を変えず休暇を取る年10労働日以上、原則時間単位行事・送迎・突発対応に時間が必要
短時間勤務制度1日の勤務時間を短くする原則6時間とする措置を含む毎日の勤務時間を継続的に短くしたい

週5日勤務以外の人について、テレワーク等の日数は週の所定労働日数に応じて設定されます。利用単位、申出期限、対象業務、賃金の扱いなどは、法律の範囲内で会社の制度を確認する必要があります。

どれを選ぶ?生活上の困りごとから決める判断フロー

  1. 通勤を含めるとお迎えに間に合わない → テレワーク等、時差出勤、短時間勤務を比較
  2. 朝の送りだけが難しい → 始業時刻の繰下げやフレックスタイムを確認
  3. 夕方のお迎えだけが難しい → 終業時刻の繰上げ、短時間勤務、残業免除を比較
  4. 行事や一時的な対応が中心 → 養育両立支援休暇と年次有給休暇を比較
  5. 保育の預け先そのものが課題 → 保育施設、ベビーシッター等の支援内容を確認

同じ「お迎えに間に合わない」でも、原因が通勤時間なのか、終業時刻なのか、残業なのかで向く制度が変わります。勤務時間と働く場所を比較する場合は、時短勤務とリモートワークの違いを先に確認してください。残業をなくしたい場合は、育児中の残業免除と3つの勤務制限が別にあります。

対象になる人・対象外になり得る人

基本の対象は、3歳から小学校就学前の子を養育する労働者です。正社員だけに限られず、パートや契約社員も条件を満たせば対象です。男女どちらも利用できます。

確認項目取扱い確認先
子が3歳未満この5措置の対象前。短時間勤務等を確認育児・介護休業規程
3歳から小学校就学前原則対象会社の対象措置一覧
日々雇用法定の対象外雇用契約
入社1年未満労使協定があれば対象外になり得る労使協定・人事
週の所定労働日数が2日以下労使協定があれば対象外になり得る雇用契約・労使協定
会社独自に年齢を延長法定を上回る制度として利用可能就業規則・福利厚生

「非正規だから使えない」「入社直後だから必ず使えない」と自己判断せず、労使協定で対象外にしているかを確認します。会社独自に小学校入学後まで制度を延長している場合もあります。

子が3歳になる前に会社から案内される内容

会社は、3歳未満の子を養育する労働者に、子が3歳になる前の適切な時期に、対象措置を個別に周知し、利用意向を確認します。周知時期は、子が3歳の誕生日の1か月前までの1年間です。

会社から確認する内容自分で記録する内容
会社が選んだ2つ以上の措置制度名、利用開始日、利用上限
申出先担当部署、様式、提出期限
残業免除・時間外・深夜業の制限併用可否と別途必要な申出
個別周知・意向確認の方法面談日、説明資料、回答内容
賃金・手当・評価への影響変更前後の見込み額

個別周知と意向確認は、面談、書面交付、FAX、電子メール等で行われます。FAXや電子メール等は、労働者が希望した場合に利用できます。利用を控えさせるような案内は認められません。

5制度の給与・労働時間を比較する

措置所定労働時間給与への主な確認点送迎への効果
始業時刻等の変更通常は維持フレックスの清算期間、遅刻早退扱い送迎時間へ勤務をずらせる
テレワーク等維持在宅手当、通勤手当、費用負担通勤時間を削減
保育施設等維持利用料、補助上限、課税関係預け先の選択肢を増やす
養育両立支援休暇休暇取得時間分は勤務しない有給・無給、給与控除必要な日・時間だけ対応
短時間勤務短くなる給与、賞与、手当、社会保険毎日の勤務時間を短縮

養育両立支援休暇を有給にするか無給にするかは、会社の規程を確認します。短時間勤務では給与が減る可能性があるため、2歳未満の子を養育している場合は育児時短就業給付金の対象と支給額も確認します。ただし、この5措置の主な対象である3歳以降と、給付金の対象年齢は一致しません。

会社へ確認する10項目チェックシート

  1. 会社が選択した措置はどの2つ以上か
  2. 自分の雇用形態・勤続期間・勤務日数で対象か
  3. 申出期限と利用開始までの手順
  4. 利用できる日数・時間・頻度
  5. 部署や職種による対象範囲
  6. 給与、賞与、各種手当の変化
  7. 残業免除等との併用可否
  8. 利用期間中のシフト・担当業務
  9. 制度の変更・終了を申し出る期限
  10. 小学校入学後に使える会社独自制度

制度名だけで判断せず、「週何日・何時から何時まで利用できるか」まで数字で確認します。テレワークがあっても、利用可能日が固定されている、研修期間は対象外、出社命令時は出社が必要など、運用条件で使いやすさが変わります。

個別面談で使える希望整理シート

整理すること記入欄
保育施設の預かり可能時間 時 分〜 時 分
自宅・職場・保育施設の移動時間片道 分
勤務できる始業・終業時刻 時 分〜 時 分
出社できる曜日・頻度週 日/曜日:
突発対応に必要な時間月 回程度/1回 時間
許容できる給与減少月 円まで
第1希望の措置 
第2希望の措置 
残業免除等の併用希望あり・なし・確認中

会社は、妊娠・出産の申出時や子が3歳になる前の適切な時期に、勤務時間帯・勤務地・制度利用期間など仕事と育児の両立に関する意向を個別に聴取し、その意向に配慮します。希望どおりの措置が自動的に確約される制度ではありませんが、具体的な数字を示すと調整案を話し合いやすくなります。

会社への確認メール例

件名:育児期の柔軟な働き方に関する対象措置の確認

子どもが○年○月に3歳になるため、育児・介護休業法に基づき会社が選択した「柔軟な働き方を実現するための措置」について確認したく、ご連絡しました。対象となる制度の内容、申出先、提出期限、利用条件、賃金・手当への影響をご案内ください。保育施設の預かり時間は○時から○時まで、通勤は片道○分です。現時点では○○制度を第1希望としており、個別面談で相談を希望します。

会社からまだ案内がない場合でも、対象時期が近づいたら自分から確認できます。説明資料、申出書、面談記録は後から確認できるよう保存します。

転職先で柔軟な働き方を確認する順番

  1. 求人票で始業・終業時刻、残業、在宅勤務、時短勤務を見る
  2. 「しょくばらぼ」等で残業・育休・両立支援情報を確認する
  3. 面接で制度名ではなく、配属予定部署の利用例と条件を質問する
  4. 内定後、労働条件通知書と就業規則で勤務条件を確認する
  5. 入社前に利用開始時期、試用期間中の扱い、申出期限を確認する

会社選びの全体像は、子育てと仕事を両立できる会社の12項目チェックで整理できます。希望条件を絞る前に、勤務時間・勤務地・年収の優先順位も書き出しておきましょう。

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子どもの急病・健診・学校行事への対応は、子の看護等休暇の対象と日数を確認してください。働き方と休暇を別々に整理すると、毎日の送迎と突発対応の両方に備えられます。

公式情報

会社が選択した措置、申出期限、賃金の扱いは勤務先によって異なります。利用前には、厚生労働省の最新情報と、勤務先の就業規則・育児介護休業規程、個別周知資料を確認してください。

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