育児休業給付金は、育児休業が終わった後に職場へ復帰することを前提とした給付です。そのため、育休を始める時点ですでに退職を予定していた場合は、原則として支給対象になりません。
一方、受給資格の確認後に事情が変わり退職することになった場合は、2025年4月1日以降の退職なら原則として退職日までが支給対象です。受給資格確認時点で退職予定ではなかったなら、それまで適正に受給した給付を一律に返金する必要もありません。
先に結論:退職を決めた時期で扱いが変わる
- 育休開始時から退職予定:職場復帰が前提ではないため、原則として支給対象外
- 受給資格確認後に退職を決定:2025年4月1日以降の退職は、原則として退職日まで支給対象
- それまでの給付:受給資格確認時に退職予定でなければ、原則として返金不要
- 退職後すぐ働ける:基本手当の受給要件と求職手続きを確認
- 育児ですぐ働けない:基本手当ではなく、受給期間延長の対象を先に確認
退職理由、退職を決めた日、会社へ伝えた日、実際の退職日を分けて記録してください。最終的な支給可否は勤務先ではなく、提出資料を確認するハローワークが判断します。
育休中の退職は4つの状況に分けて確認する
| 状況 | 育児休業給付金の考え方 | 最初にすること |
|---|---|---|
| 育休取得前から退職予定だった | 職場復帰を前提としていないため原則対象外 | 受給資格確認前なら、事実関係を勤務先へ伝える |
| 受給資格確認後に家庭事情などが変わった | 退職日まで支給対象になり得る | 退職決定日と退職日を勤務先へ連絡する |
| 復職した後に退職する | 育児休業給付は復職日の前日で終了 | 復職日と最終支給単位期間を確認する |
| 別の会社へ転職する | 元の会社での育児休業が終わるため支給も終了 | 退職日・入社日・保育条件を並べて確認する |
「会社へ退職を伝えた日」と「雇用契約が終わる退職日」は同じとは限りません。給付の終了日を確認するときは、会社から通知された退職日と雇用保険の資格喪失日も確認します。
2025年4月から退職日まで支給対象に変更
厚生労働省Q&Aでは、2025年4月1日以降に育児休業給付の支給対象期間中に退職した場合、原則として退職日まで支給対象になると案内しています。
| 退職日 | 原則的な支給対象 | 確認点 |
|---|---|---|
| 2025年4月1日以降 | 退職日まで | 受給資格確認時に退職予定ではなかったこと |
| 2025年3月31日以前 | 退職日を含む支給単位期間の1つ前まで | 旧取扱いが適用される |
| 職場復帰した場合 | 原則として復帰日の前日まで | 有給休暇を挟む場合を含め復帰日を会社へ確認 |
退職日が2025年4月1日以降でも、育休開始当初から退職予定だった場合まで対象になるわけではありません。「制度が変わったから、退職前提でも受給できる」とは考えないでください。
受給済みの給付金は返金する?
受給資格確認時点で退職が予定されていなかった場合は、途中で退職しても、それまで受給した育児休業給付を原則として返金する必要はありません。
| 確認事項 | 記録する内容 | 資料の例 |
|---|---|---|
| 退職を決めた日 | 家庭事情・勤務条件等が変わった時期 | 自分のメモ、会社とのメール |
| 会社へ伝えた日 | 退職相談・退職届の提出日 | 送信メール、受領記録 |
| 退職日 | 雇用契約が終了する日 | 退職届、会社の通知 |
| 最後の支給申請 | 対象期間と会社の申請予定日 | 支給決定通知書、申請控え |
当初から退職予定だった、復職日や別の子の産前休業開始日を会社へ連絡していなかった、就業日数や賃金の申告に相違があったなどの場合は、返還確認が必要になることがあります。事実を後から整えるのではなく、変更が決まった時点で会社の人事労務担当者へ連絡してください。
退職前に確認する8項目チェック
- 育児休業給付の受給資格確認日はいつか
- 退職を決めた日と会社へ伝えた日はいつか
- 正式な退職日はいつか
- 最後の支給単位期間はいつからいつまでか
- 最終申請を会社と本人のどちらが行うか
- 支給決定通知書と申請控えを受け取れるか
- 離職票が必要か、会社へ発行を依頼したか
- 退職後すぐ求職できるか、育児で働けない期間があるか
退職だけを先に確定すると、保育園の在園要件、復職期限、次の仕事の入社可能日が合わなくなる場合があります。求職中の保育園利用と期限、転職条件の優先順位も並行して確認してください。
退職日から逆算する手続き整理表
| 時期 | 確認すること | 記録欄 |
|---|---|---|
| 退職を考えた時点 | 時短・配置・在宅勤務等で継続できないか | 会社回答: |
| 退職を決める前 | 保育園要件、次の仕事、家計、給付終了日 | 確認日: |
| 退職日の1か月以上前 | 就業規則、退職申出期限、最終申請担当 | 申出期限: |
| 退職日まで | 支給決定通知、離職票、源泉徴収票等の受取方法 | 受取方法: |
| 退職後 | すぐ働けるか、30日以上働けないかを判断 | 求職開始日: |
| 求職開始時 | 希望時間、勤務地、保育時間、応募先を整理 | 応募開始日: |
退職申出期限は会社の就業規則や雇用契約を確認してください。上表の「1か月以上前」は準備の目安であり、すべての会社に共通する法定期限として示すものではありません。
退職後の失業手当は「すぐ働けるか」で分かれる
雇用保険の基本手当は、就職する意思と能力があり、求職活動をしているにもかかわらず職業に就けない状態が基本です。育児のためすぐ働けない場合は、退職直後から基本手当を受けるのではなく、受給期間延長を確認します。
| 退職後の状態 | 確認する制度・行動 | 関連記事 |
|---|---|---|
| すぐ働けて求職を始める | 住所地を管轄するハローワークで基本手当の要件を確認 | マザーズハローワークの利用準備 |
| 育児で30日以上働けない | 基本手当の受給期間延長を確認 | 育児による失業手当の受給期間延長 |
| 求職を始めて早期に再就職した | 再就職手当の8要件を確認 | 再就職手当の条件と概算 |
育児休業給付の延長と、退職後の基本手当の受給期間延長は別の制度です。保育所等に入れないため育児休業給付を延長する場合は、育児休業給付金の延長に必要な3書類を確認してください。
退職を決める前に現職継続と転職を比較する
| 選択肢 | 確認する条件 | 向いている状況 |
|---|---|---|
| 現職へ復帰 | 時短、残業、勤務地、在宅、子の急病対応 | 条件調整で両立できる |
| 復帰後に転職活動 | 保育園要件、在職中の活動時間、入社日 | 収入と在園を保ちながら探したい |
| 育休中に退職 | 給付終了、保育園要件、求職開始時期、家計 | 現職継続が難しく準備が整っている |
| 退職後に育児へ専念 | 基本手当の受給期間延長、再開時期 | すぐ働けない事情がある |
現職で調整できる可能性があるなら、育児時短就業給付金、柔軟な働き方5制度、育児中の残業免除・制限を先に確認します。転職する場合は子育てと両立できる会社の見分け方で、同じ問題を繰り返さない条件を整理してください。
会社へ確認するメール例
件名:退職に伴う育児休業給付金の最終申請について
育児休業中ですが、事情の変化により〇年〇月〇日付での退職を検討しています。育児休業給付金の受給資格確認日、最後の支給対象期間、最終申請の担当者と予定日、支給決定通知書の受取方法をご案内いただけますでしょうか。あわせて、離職票等の退職後に必要な書類の発行方法も確認したく存じます。正式な退職手続きは、就業規則に沿って進めます。
転職を始める場合の求人サービスの分け方
退職後すぐ働ける場合でも、保育時間と希望条件を整理してから求人サービスを選びます。全体比較は母親向け求人サービスの選び方、時短正社員を中心に探す場合はリアルミーキャリアの対象条件、リモート正社員を探す場合はRemofulの求人条件、在宅業務委託も含める場合はママワークスの使い方を確認できます。
応募準備は子育て後の再就職の進め方から始め、退職理由は前職への不満だけで終わらせず「両立のために次の職場で確認する条件」へ変換します。
公式情報
- 厚生労働省:Q&A~育児休業等給付~
- 厚生労働省:育児休業等給付について
- 岩手労働局:育児休業給付を受給中に離職した皆さまへ
- ハローワーク淀川:雇用保険・育児休業給付金Q&A
- 神奈川ハローワーク:育児休業等給付共通Q&A
- 厚生労働省:基本手当・再就職手当Q&A
確認日は2026年10月28日です。個別の退職経緯、支給単位期間、申請状況によって確認資料が変わります。退職日を確定する前に、勤務先の人事労務担当者と事業所を管轄するハローワークへ最新の取扱いを確認してください。

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