警察の「捜査」と探偵の「調査」は全く違う。我が子を早く見つけるために知るべきこと

警察の「捜査」と探偵の「調査」は全く違う。我が子を早く見つけるために知るべきこと 探偵の選び方・お金の話

警察に「行方不明者届」を出し、「事件性がない限り、積極的には動けない」という厳しい現実を突きつけられたあの日。

私の頭の中は、「じゃあ、一体誰がこの子を見つけてくれるの?」という、途方もない問いでいっぱいになりました。

きっと、この記事を読んでくださっているあなたも、同じ壁にぶつかり、やり場のない思いを抱えているのではないでしょうか。

そして、その問いの先に、ぼんやりと「探偵」という選択肢が浮かんでいるかもしれません。

でも、少し待ってください。警察と探偵、この二つは目的も、できることも、全く違うのです。この違いを正しく理解することが、後悔しない選択をするための、そして、何より一日も早くお子さんと再会するための、最も重要な第一歩になります。

結論:警察は「事件」を追い、探偵は「依頼者」のために動く

まず、一番大切な結論からお話しします。

  • 警察の目的は「事件の解決」と「治安維持」です。
    法律に基づき、税金で運営される公的機関であり、犯罪の疑い(事件性)がなければ、個人の問題に深く介入することはできません。
  • 探偵の目的は「依頼者の悩みの解決」です。
    依頼者と契約を結び、料金をいただいて、その目的(今回の場合はお子さんの発見)を達成するために動く民間のサービスです。

つまり、警察は社会のルールを守るために動き、探偵はあなたの個人的な願いを叶えるために動く、全く別の組織なのです。

なぜ、警察は「一般家出人」を積極的に探せないのか

前回の記事でお話しした通り、置き手紙があるなど、本人の意思で家を出たと判断されると「一般家出人」に分類され、警察が積極的に捜索することはありません。

それは、警察が冷たいからでも、怠慢だからでもありません。
彼らは「法律」という厳格なルールに基づいて動いているからです。

個人の家出は「民事不介入の原則」により、家庭内の問題と見なされます。事件性がないのに、警察が令状もなく個人の行動を追跡したり、無理やり連れ戻したりすることは、人権侵害にあたる可能性があるのです。

警察にできるのは、あくまで「セーフティーネット」としての役割。つまり、パトロール中に偶然発見したり、補導されたりした際に保護し、家族へ連絡すること。これが、法律の下での限界なのです。

一方、探偵は「発見」のためだけに動くプロフェッショナル

では、探偵はどうでしょうか。
探偵は、あなたとの「契約」に基づいて動きます。

あなたの「子どもを見つけてほしい」という依頼を受け、その目的を達成するためだけに、専門的な技術と時間、人員を投入します。

  • 聞き込み: お子さんの友人関係や立ち寄りそうな場所を徹底的に調べ上げます。
  • 張り込み: 目撃情報があった場所や、交友関係から予測される場所に潜み、現れるのを待ちます。
  • 尾行: お子さんを見つけた後、現在の生活状況や交友関係を把握し、安全を確保した上で、再会の最適なタイミングを探ります。

これらは全て、あなたが依頼した「お子さんの発見と保護」というゴールに向けた、能動的で専門的な「調査」活動です。警察が法的な制約でできない領域を、民間のサービスとしてカバーするのが探偵の役割なのです。

【比較表】ひと目で分かる!警察と探偵の決定的違い

頭が混乱している時でも分かりやすいように、両者の違いを表にまとめました。

項目警察探偵事務所
目的事件の解決、治安維持依頼者の目的達成
行動の根拠法律(刑事訴訟法など)依頼者との契約(探偵業法)
主な活動捜査(事件性がある場合)調査(張り込み、尾行、聞き込み)
対象特異行方不明者(事件性あり)依頼された調査対象者
強制力あり(逮捕、捜索差押など)なし(あくまで民間)
費用無料(税金)有料(依頼内容による)

まとめ:目的を理解し、正しく頼ることが大切

この記事でお伝えしたかった、最も重要なことを繰り返します。

警察と探偵は、どちらが優れているという話ではありません。役割が全く違うのです。

  • 警察:万が一の事件から子どもを守るための「命のセーフティーネット」。行方不明者届は、このネットを張るために絶対に必要です。
  • 探偵:一刻も早く子どもを見つけたいと願う親の「具体的な行動の代行者」。費用はかかりますが、発見の可能性を能動的に高めることができます。

警察の対応に失望し、「もう誰も頼れない」と絶望する前に、この違いを冷静に理解してください。
そして、その上で、「我が家にとっては、今どちらの力が必要なのか?」を考えること。

それが、暗闇のトンネルから抜け出すための、次の一歩に繋がっていくはずです。

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