「一刻も早く、あの子を見つけ出してあげたい」
その一心で探偵という選択肢にたどり着いた時、次にはっと我に返るのが、「費用は、一体いくらかかるの?」という、あまりにも現実的な問題ですよね。
子どものことで頭がいっぱいなのに、お金のことまで考えなければならないなんて…。本当に、心がすり減る思いだと思います。
私もそうでした。ネットで「探偵 料金」と検索して、表示される金額の幅の広さに愕然としました。「安い!」と思ったら成功報酬の着手金だけの表示だったり、「こんなにかかるの…」と目の前が真っ暗になったり。
あの時の混乱した経験から学んだのは、探偵費用は、料金体系の仕組みを知っているかどうかで、総額が全く変わってくるということです。
この記事では、パニック状態の頭でも理解できるよう、探偵の料金体系の基本から、見落としがちな「追加料金」まで、私が必死でノートに書き留めた知識のすべてをお話しします。この知識が、あなたを不当な請求から守る「お守り」になることを願っています。
まず結論:料金体系は主に3種類。総額は「調査の難易度」で決まる
探偵の料金体系は、大きく分けて以下の3種類です。
- 時間料金型(時給単価型)
- パック料金型
- 成功報酬型
そして、どのプランを選ぶにせよ、最終的な総額は「調査にどれくらいの時間と人員が必要か(=調査の難易度)」によって決まります。お子さんの情報がどれだけあるか、行動範囲はどれくらい広いか、といった状況によって、費用は大きく変動するのです。
それでは、一つ一つの料金体系を詳しく見ていきましょう。
3つの料金体系メリット・デメリット
それぞれの仕組みと、どんな状況に向いているのかを解説します。
1. 時間料金型(時給単価型)
【仕組み】
「調査員1名につき、1時間あたり〇円」という単価が決まっており、実際に動いた時間と人数分を支払う、最もシンプルな料金体系です。
(計算式例)単価1万円 × 調査員2名 × 調査時間5時間 = 10万円
- メリット:
- 「〇〇駅周辺を3時間だけ探してほしい」など、調査範囲が限定的な場合に費用を抑えられる。
- 短時間で終われば、最も安く済む可能性がある。
- デメリット:
- 調査が長引けば、費用がどんどん加算されていくため、上限が見えにくい。
- 広範囲の捜索には向かない。
- 料金相場: 調査員1名につき、1時間8,000円~15,000円程度。
2. パック料金型
【仕組み】
「調査20時間で〇〇万円」というように、一定の調査時間をまとめて契約するプランです。スマホのデータプランをイメージすると分かりやすいかもしれません。
- メリット:
- 時間あたりの単価が、時間料金型よりも割安に設定されていることが多い。
- 「この金額の範囲でお願いする」という上限が明確なので、予算が立てやすい。
- ある程度、長期間の調査が見込まれる場合に安心。
- デメリット:
- 契約時間より早く調査が終了しても、残った時間の料金は返金されないことがほとんど。
- 料金相場: 20時間で30万円~60万円程度。多くの探偵事務所が、このパック料金型を主流としています。
3. 成功報酬型
【仕組み】
契約時に「着手金」を支払い、調査が成功した場合にのみ「成功報酬」を支払うプランです。「見つからなければ、高額な費用はかからない」と聞こえるため、一見とても魅力的に感じます。しかし、このプランが最も注意が必要です。
- メリット:
- 調査が成功しなかった場合、支払うのは着手金だけで済む(場合がある)。
- デメリット(要注意!):
- 「成功」の定義が曖昧。 「居場所が分かっただけ」で成功なのか、「無事に再会できた」時点で成功なのか、契約前に徹底的に確認しないとトラブルの原因になります。
- 着手金が返金されないケースが多い。
- 成功した場合の総額が、他のプランより高額になる傾向がある。
- 悪質な業者の場合、ろくに調査をせずに「見つかりませんでした」と、着手金だけを取るケースも報告されています。
<私の経験からお伝えしたいこと>
私も最初は「成功報酬」という言葉に強く惹かれました。しかし、調べれば調べるほど、そのリスクの大きさに気づいたのです。「成功の定義」を曖昧にしたまま契約を結んでしまうのが、一番怖いパターンだと感じました。
見積もりで絶対に確認すべき「追加料金(諸経費)」の内訳
料金プランの金額だけで判断してはいけません。実際に調査を行えば、必ず「諸経費」が発生します。誠実な探偵事務所は、これらの経費についても契約前にきちんと説明してくれます。
【主な追加料金の例】
- 車両代・交通費: 調査で使う車やバイクのガソリン代、高速道路代、電車代、タクシー代など。
- 宿泊費: 遠方での調査や、夜を徹した張り込みが必要になった場合のホテル代など。
- 機材費: 特殊な撮影機材などを使用した場合の費用。
- 報告書作成費: 調査結果をまとめた報告書の作成費用。
これらの諸経費が、「基本料金やパック料金に含まれているのか、それとも別途請求されるのか」を、見積もりの段階で必ず、必ず確認してください。「経費は実費精算」と言われた場合は、調査終了後にまとめて高額な請求が来る可能性もあります。
まとめ:後悔しないために、必ず「相見積もり」を
お子さんがいなくなり、精神的に追い詰められている中で、大きなお金の話をするのは本当につらいことです。冷静な判断など、できなくて当たり前です。
だからこそ、知識で自分を武装する必要があります。
- 料金体系は「時間制」「パック」「成功報酬」の3種類あると知る。
- 「成功報酬」は、「成功の定義」の確認が命だと心得る。
- 見積もりでは、基本料金だけでなく「追加料金」の内訳を徹底的に確認する。
そして、最後に一番大切なこと。
それは、必ず2~3社以上の探偵事務所から見積もりを取る「相見積もり」を行うことです。
1社だけの話を聞いて、「そんなものか」と契約してしまうのが一番危険です。複数の事務所の話を聞くことで、料金の相場観が分かり、それぞれの担当者の誠実さも見えてきます。
焦る気持ちをぐっとこらえ、この一手間をかけることが、あなたと、あなたの大切なご家族を、未来の後悔から守ることになるのです。
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