震える手でかけた電話相談を経て、あなたは今、探偵事務所のドアの前に立っているのかもしれませんね。
しかし、面談はただ話を聞く場ではありません。探偵の「実力」と「遵法精神」を、依頼者である私たちが厳しく見極める、最後の砦です。
この記事では、私が最終的に契約を決めた面談の場で、具体的に何を確認し、何を「試した」のか。感情論だけではない、あなたと、お子さんの未来を法的に守るための、最終チェックリストをお伝えします。
選択肢:探偵事務所へ行く前に、弁護士に相談する
まず、私が後から知って「先に知りたかった」と痛感した選択肢をお伝えします。
それは、まず弁護士に相談するということです。弁護士は、そもそも探偵による調査が必要な事案かを法的に判断でき、場合によっては信頼できる探偵を紹介してくれることもあります。不要な調査費用や悪徳業者との契約トラブルを未然に防げる可能性がある、非常に賢明な一手です。
最重要:口約束は無意味。「書面」こそがあなたを守る盾
面談で最も重要なことは、優しい言葉や親身な態度に流されず、法的にあなたを守る「書面」を、あなたの目で一つひとつ確認することです。以下の書面の説明を渋ったり、交付を怠ったりする業者は、その場で契約を見送るべきです。
- ① 重要事項説明書:
探偵業法により、契約を締結する「前」に、必ず書面で交付し、説明することが義務付けられています。料金の概算や解約条件などが記載されており、これを出さない業者は明確な法律違反です。 - ② 契約書面:
契約が成立した「後」に交付される書面です。調査の具体的な内容、期間、方法、確定した料金、報告の形式などが明記されているか、口頭での説明と1ミリでも違う点はないか、厳しく確認する必要があります。 - ③ 誓約書:
「調査結果を、犯罪行為や違法な差別のために使いません」と、依頼者である私たちが署名して提出する書面です。これも法律で定められた手続きであり、この誓約書の提出を業者側から求められない場合、その業者は法律を守る意識が低いと判断できます。
探偵の「実力」と「思考力」を試す、踏み込んだ質問リスト
書面の確認と並行して、相手が本当に信頼に足るプロフェッショナルか、その実力を試す質問をぶつけましょう。
質問1:「調査計画」の具体性と人員の根拠を問う
「今回の私の娘のケースでは、具体的にどのような計画で調査を始めますか?調査員の人数は何名で、なぜその人数が必要なのですか?」
私が面談した担当者は、「まずはお嬢様の親友の行動確認から始めます。ただし、対象者に警戒されないよう、接触役と監視役の最低2名体制が不可欠です」と、人員の必要性を具体的に説明してくれました。不必要に多い人数を提案し、料金を吊り上げようとする手口もあるため、人員の根拠は必ず確認してください。
質問2:「出口戦略」を書面で確認する
「もし、契約した調査時間内に手がかりが得られなかった場合、どうなりますか?解約料や返金ポリシーについて、契約書のどの部分に、どう記載されていますか?」
口頭での「大丈夫ですよ」は信じてはいけません。うまくいかなかった時の話こそ、契約書を指差しながら説明を求める。この冷静な姿勢が、後の金銭トラブルを防ぎます。
質問3:「調査報告書」のサンプルを要求する
「最終的に、どのような形式の調査結果報告書をいただけますか?可能であれば、個人情報を消したサンプルを見せていただくことはできますか?」
裁判などで証拠として使いたい場合、写真や時系列が詳細に記載された、質の高い報告書が不可欠です。報告書のサンプルを見せるのを渋る業者は、調査そのものに自信がない可能性があります。
まとめ:最後の決め手は「納得感」と、法的にあなたを守る「書面での確認」です
優しい言葉、清潔なオフィス、真摯な眼差し。それらはもちろん大切です。
しかし、それらは、法律で定められた手続きをすべてクリアした上での、最終的な判断材料にすぎません。
あなたの心の「納得感」。そして、その納得を裏付ける、法的にあなたを守る「書面の存在」。
この二つが揃った時、初めてあなたは、安心して契約書にサインすることができるのです。
どうか、受け身にならず、あなた自身の手で、相手のプロフェッショナルとしての実力を試し、守られるべき権利をその手で確認してください。その厳しい目で選んだパートナーこそが、必ず、未来への扉を開く力になってくれるはずです。
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