今、このブログを読んでくださっているあなたは、きっと胸が張り裂けそうな思いで、眠れない夜を過ごしているのではないでしょうか。
「どうしてうちの子が…」
「何がいけなかったんだろう…」
「今、どこでどうしているの…?」
次から次へと押し寄せる不安と後悔に、押しつぶされそうになっているかもしれません。
そのお気持ち、痛いほど分かります。私も、そうでしたから。
このブログは、暗闇のトンネルの中で一度は光を失い、それでも娘のためにもう一度立ち上がった、一人の母親の記録です。
最初の記事となる今回は、全ての始まりとなった「あの日」のことをお話しします。娘が家に帰ってこなかった日、パニックの中で私がまず何をしたのか。この体験談が、今まさに混乱の中にいるあなたの心を少しでも落ち着かせ、次の一歩を考えるきっかけになれたらと願っています。
いつもと違う、静かな夕暮れ
その日は、いつもと変わらない、ごく普通の一日になるはずでした。
仕事からの帰り道、スーパーに寄って、「今日の夕飯は、あの子の好きなハンバーグにしよう」なんて、呑気に考えていたくらいです。
でも、家のドアを開けた瞬間、いつもと違う空気を感じました。
「ただいま」
返ってくるはずの「おかえり」が、ない。
いつもならリビングのソファでスマホをいじっているか、自分の部屋で音楽を聴いているはずの娘の気配が、全くしないのです。
「先に塾にでも行ったのかな?」
そう思い込もうとしても、胸のざわつきは大きくなるばかり。すぐにLINEを送りました。
『今どこにいるの?ご飯できてるよ』
でも、何分経っても既読にならない。
時計の秒針の音だけが、やけに大きく部屋に響いていました。言いようのない胸騒ぎが、だんだんと確信に変わっていく、あの嫌な感覚。きっと、あなたにも覚えがあるのではないでしょうか。
机の上に置かれた、一枚のメモ
意を決して、娘の部屋のドアノブに手をかけました。不思議なことに、ドアを開けるほんの数秒が、永遠のように長く感じられたのを覚えています。
部屋は、驚くほど綺麗に整頓されていました。
いつもは脱ぎっぱなしの制服も、きちんとハンガーにかかっている。ベッドも綺麗にメイキングされていて…。
その、あまりに「いつも通りじゃない」光景に、心臓がドクンと大きく鳴りました。
そして、目に入ったのが、勉強机の上に置かれた、一枚の小さなメモでした。
『探さないでください』
その短い、あまりにも短い言葉を見た瞬間、サーッと血の気が引いて、全身の力が抜けていくのが分かりました。立っていられなくて、その場にへたり込んでしまったことを、今でも鮮明に思い出せます。
頭の中は真っ白。
何が起きたのか、理解が追いつかない。
ただ、涙だけが、後から後から溢れてきました。
震える手で、夫と警察にかけた電話
どれくらいの時間、そうしていたでしょうか。
「このままじゃいけない」と、かろうじて動いた体で、震える手でスマホを握りしめました。
最初に電話をかけたのは、まだ仕事中の夫でした。
「〇〇(娘の名前)が、いないの」
そこから先、自分が何をどう話したのか、あまり覚えていません。ただ、電話口で必死に何かを叫び、泣きじゃくっていたことだけは確かです。夫の驚いた声が、やけに遠くに聞こえました。
次に、私は110番通報をしました。
何をどう伝えればいいのかも分からず、ただ「娘が家出を…メモがあって…」と、途切れ途切れに話すのが精一杯でした。
電話に出た警察官の方は、とても冷静でした。
娘の名前、年齢、服装、いつから連絡が取れないのか、いくつか質問をされました。そして、「まずは落ち着いて、お近くの警察署に捜索願を出しに来てください」と言われました。
その冷静な声に、ほんの少しだけ我に返ることができたものの、心の中は絶望でいっぱいでした。
あの日の絶望が、全ての始まりでした
娘が残した短いメモ。
がらんとした娘の部屋。
夫にすがりついて泣いたこと。
警察署へ向かう車の、重たい空気。
あの日、私は母親として、一人の人間として、深い深い絶望の淵に立たされていました。
もし、今あなたが同じ場所に立っているのだとしたら、伝えたいことがあります。
その気持ちは、決して間違っていません。
自分を責めないでください。
そして、どうか、一人で抱え込まないでください。
このブログが、あなたの孤独に寄り添う、小さな灯りになれることを願っています。
次の記事では、混乱の中で親がまず何をすべきか、冷静さを取り戻すために私が実践したことを具体的にお話ししたいと思います。
まずは、ゆっくり息を吸って。
大丈夫。あなたは、一人じゃない。
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