家出した子どもが帰宅した日。親が絶対にしてはいけないNG言動と、すべき2つのこと

家出した子どもが帰宅した日。親が絶対にしてはいけないNG言動と、すべき2つのこと 家出後の親子関係

1ヶ月ぶりに再会した娘の、冷たい目。
重く、息が詰まるような沈黙。
そして、消え入りそうな声で絞り出された「ごめんなさい」という一言…。

車で家に帰るまでの間、私たちは一言も会話がありませんでした。
安堵感よりも、むしろ「これから、どうなってしまうんだろう」という、底知れない不安。それが、娘が帰宅した瞬間の、私の正直な気持ちでした。

親の心の中は、嵐のようです。
「無事でよかった」という安堵と、
「どうしてこんなことを!」という怒りと、
「何があったの」という不安。

この、ぐちゃぐちゃになった感情のままに子どもと接してしまうと、取り返しのつかないことになります。
この記事では、私が体験したあのピリピリとした空気の中で、親が感情的にやってしまいがちなNG言動と、それ以上に大切な「まず、すべき2つのこと」について、具体的にお話しします。

子どもの心は、今「満身創痍」だという現実

まず、大前提として理解すべきことがあります。
家出をしていた子どもは、私たち親が想像する以上に、心身ともにボロボロに疲れ果てています。

ネットカフェや友人の家を転々とし、まともな食事も睡眠もとれず、常に「見つかるかもしれない」という緊張感に晒され続けた1ヶ月。その心は、傷だらけで、ささくれ立っています。

そんな、満身創痍の子どもの心に、これからお話しする「NG言動」は、まさに塩を塗り込むのと同じ行為なのです。

帰宅当日に、親が絶対にしてはいけないNG言動リスト

NG 1:「質問攻め」にする

「どこにいたの!?」
「誰といたの!?」
「ご飯はどうしてたの!?」
「お金はどうしてたの!?」

親として、真っ先に知りたいことばかりですよね。痛いほど分かります。
でも、これは最悪の対応です。子どもにとって、親の質問は「尋問」にしか聞こえません。
疲れ切った子どもには、自分を弁護する気力も、状況を説明する体力も残っていません。

NG 2:「感情的に責め立てる」

「どれだけ心配したと思ってるの!」
「警察や探偵まで使って、どれだけお金がかかったか分かってるの!?」

これも、絶対に言ってはいけません。
親がどれだけ大変だったかを訴えても、それは子どもの家出の根本原因とは何の関係もありません。子どもをさらに追い詰めるだけです。

NG 3:「家出の理由」を、その日のうちに聞こうとする

「どうして家出したの?理由を言ってくれないと分からないでしょ!」

これもNGです。
子どもの家出の理由は、多くの場合、一つではありません。本人でさえ、自分の気持ちをうまく言葉にできません。それを、帰ってきた当日に無理やり聞き出すことは、傷口をこじ開けるのと同じです。


感情をこらえて。親が「まず、すべき」2つのこと

では、親は一体どうすればいいのでしょうか?
感情をぐっとこらえて、冷静に、「親として、まずやるべきこと」が2つあります。

その1:『身体的な安全確認』と『休息』の提供

「今は、何も聞かない」と書きましたが、たった一つだけ、例外があります。それは子どもの『身体的・生命的』な安全確認です。心の理由は聞かなくても、これだけは最優先です。

  • 「怪我はしていない?」
  • 「どこか痛いところはない?」
  • 「病院に行く必要はなさそう?」

ここで大切なのは、「どうして怪我したの?」と経緯を問いただすのではなく、純粋に「今、治療が必要かどうか」だけを確認することです。もし、お子さんが性的被害や薬物などの問題に巻き込まれている可能性がある場合、心のケアよりも先に医学的な対応が必要です。

そして、安全が確認できたら、あとは「安全と休息」を与えるだけ。

「おかえり。無事で、よかった」
「…疲れたでしょう。まずはお風呂に入って、ゆっくり休みなさい」

「話は、あなたが話したくなったら、いつでも聞くから。今日は、もうおやすみ」
責めるでも、過度に歓迎するでもなく、ただ「あなたの安全な居場所はここだ」という事実を、淡々と提供することが大切です。

その2:『警察への帰宅連絡』を、冷静に行う

パニックの中で、絶対に忘れてはいけない、もう一つの重要な「手続き」があります。
それは、「行方不明者届」を出した警察署への、帰宅連絡です。

これは、親に課せられた法的な義務です。
これを怠ると、お子さんは「行方不明者」のままデータベースに残り続け、将来、職務質問などで大変な不利益を被る可能性があります。

子どもに「警察に連絡するなんて!」と責められるのを恐れ、隠れて電話をするのは逆効果です。
これは「罰」ではなく「手続き」であることを、冷静に伝えましょう。

「無事に帰ってきたことを、警察に連絡するね。これは、あなたを『行方不明者』から解除して、社会的に守るための、大切な手続きだから」

そう言って、親として、毅然と、透明性を持って対応することが、再出発の第一歩になります。

まとめ:帰宅した日は、戦い(捜索)の終わりであり、戦い(再構築)の始まり

子どもが帰宅した日。
それは、地獄のような捜索活動の「終わり」であると同時に、親子関係の再構築という、新しい「始まり」の日です。

その、最も重要なスタートラインで、私たち親がすべきことは、自分の感情をぶつけることではありません。
疲れ果てた我が子の①安全を確保し②法的な手続きを済ませ、そして③ただ休ませること。

あなたの怒りも、悲しみも、不安も、何も間違っていません。
でも、その気持ちを伝えるのは、今日じゃないのです。

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