雇用保険の基本手当を受給中に早く再就職すると、一定の条件を満たした場合に「再就職手当」を一括で受け取れます。ただし、内定が出れば自動的にもらえる制度ではありません。支給残日数、待期期間、応募経路、雇用期間など、8つの要件をすべて満たす必要があります。
この記事では、2026年10月21日時点の厚生労働省・ハローワーク公式情報を基に、対象条件、概算方法、就職前後の手続きを整理します。最終的な支給可否と金額は、個別の受給資格・就職状況を確認したハローワークが決定します。
結論:支給残日数が3分の1以上あり、8要件を満たす人が対象
| 支給残日数 | 支給率 | 計算式 |
|---|---|---|
| 所定給付日数の3分の2以上 | 70% | 基本手当日額×支給残日数×70% |
| 所定給付日数の3分の1以上、3分の2未満 | 60% | 基本手当日額×支給残日数×60% |
| 所定給付日数の3分の1未満 | 再就職手当の対象外 | 常用就職支度手当など別制度の対象になり得る |
再就職手当の計算に使う基本手当日額には上限があります。2026年8月以降は、離職時60歳未満が6,745円、60歳以上65歳未満が5,454円です。上限は毎年8月1日に変更される可能性があるため、申請時の最新額を確認してください。
再就職手当の8つの受給条件チェック
厚生労働省のQ&Aでは、次の8条件をすべて満たすことが必要とされています。チェックできない項目は、内定承諾や入社日の確定前にハローワークへ確認します。
| 確認 | 条件 | 確認する資料・相手 |
|---|---|---|
| □ | 就職日前日までの失業認定後、支給残日数が所定給付日数の3分の1以上ある | 雇用保険受給資格者証・受給資格通知 |
| □ | 1年を超えて勤務することが確実と認められる | 雇用契約書・労働条件通知書 |
| □ | 7日間の待期満了後に就職する | 受給資格決定日・待期満了日 |
| □ | 給付制限がある場合、待期満了後1か月以内は所定の紹介経路で就職する | ハローワーク・許可届出のある職業紹介事業者 |
| □ | 離職前の事業主や密接な関係のある事業主への再雇用ではない | 再就職先・ハローワーク |
| □ | 就職日前3年以内に再就職手当または常用就職支度手当を受けていない | 過去の支給記録 |
| □ | 受給資格決定前から内定していた事業主への就職ではない | 内定日・求職申込日 |
| □ | 原則、雇用保険の被保険者になる条件で働く | 労働条件通知書・勤務先 |
「1年以上働くつもり」だけでなく、契約上も1年を超える勤務が見込まれるかが確認されます。短期契約、更新条件が厳しい契約、雇用保険へ加入しない働き方では対象外になる可能性があります。
直接応募でも対象になる?給付制限中の注意点
多くの場合、企業サイトや求人サイトからの直接応募でも、ほかの要件を満たせば対象になり得ます。ただし、離職理由による給付制限を受ける人が待期満了後1か月以内に就職する場合は、ハローワークまたは許可・届出のある職業紹介事業者による紹介就職が必要です。
ハローワークの「オンライン自主応募」は職業紹介ではありません。この期間中にオンライン自主応募や企業への直接応募で就職すると、再就職手当の対象にならないため注意が必要です。給付制限の有無と、待期満了後1か月の終了日を先に確認してください。
記入用:再就職手当の概算シート
雇用保険受給資格者証または受給資格通知を見ながら記入します。概算であり、実際の支給額を保証するものではありません。
| 所定給付日数 A | 日 |
|---|---|
| 就職日前日時点の支給残日数 B | 日 |
| 3分の2の基準 A×2÷3 | 日 |
| 3分の1の基準 A÷3 | 日 |
| 支給率 | □70% □60% □対象外 |
| 基本手当日額 C | 円(適用上限も確認) |
| 概算支給額 B×C×支給率 | 円 |
| 待期満了日 | 年 月 日 |
| 待期満了後1か月の終了日 | 年 月 日 |
| 就職日 | 年 月 日 |
| 申請期限 | 年 月 日 |
| ハローワーク確認日 | 年 月 日 |
計算例
- 所定給付日数90日、支給残日数60日、基本手当日額5,000円の場合:60日は90日の3分の2以上なので、5,000円×60日×70%=21万円
- 所定給付日数90日、支給残日数40日、基本手当日額5,000円の場合:3分の1以上・3分の2未満なので、5,000円×40日×60%=12万円
基本手当日額が上限を超える場合は、上限額を使って計算します。また、就職日から受給期間満了日までの日数が少ない場合は、支給残日数の扱いが変わることがあります。正確な額はハローワークへ確認してください。
内定から申請までの手順
| 時期 | すること | 注意点 |
|---|---|---|
| 内定後 | 就職日、雇用期間、週の所定労働時間、雇用保険加入を確認 | 応募経路と内定日も記録する |
| 就職日前 | 次回認定日より前に就職する場合、原則として就職日前日に就職を申告 | 前日が閉庁日なら直前の開庁日に相談 |
| 就職先へ依頼 | 採用証明書や再就職手当支給申請書の事業主欄を依頼 | 会社の処理日数を見込む |
| 就職後 | 申請書、受給資格者証・受給資格通知などを提出 | 必要書類は管轄ハローワークで確認 |
| 申請後 | 審査結果を待つ | 支給までの期間は一律ではない |
再就職手当支給申請書は、雇入年月日の翌日から起算して1か月以内に、原則として住所または居所を管轄するハローワークへ提出します。電子申請が可能な場合もありますが、利用方法や添付書類は管轄窓口へ確認してください。
入社日前に確認する質問リスト
- 私の所定給付日数と現在の支給残日数はいくつですか
- 給付制限はありますか。待期満了後1か月の終了日はいつですか
- 今回の応募経路は再就職手当の要件を満たしますか
- この雇用契約は「1年を超える勤務が確実」と判断される条件ですか
- 就職の申告はいつ、何を持って行えばよいですか
- 再就職先に記入してもらう書類は何ですか
- 申請期限は具体的に何月何日ですか
- 電子申請・郵送・窓口のどの方法を利用できますか
子育て中の仕事探しと一緒に確認すること
再就職手当だけを優先して、保育時間や継続勤務が難しい求人へ急いで決めるのは避けます。まず勤務時間・勤務地・年収の優先順位を整理し、求職中の保育園利用と期限も同じ予定表へ入れてください。
ハローワークへの相談準備はマザーズハローワークの利用手順、失業認定までの活動記録は求職活動実績の数え方、応募までの全体計画は再就職準備の30日計画で確認できます。
雇用形態を決める前ならパート・派遣・正社員の違い、求人サービスを比較するなら母親向け求人サービスの選び方へ進みます。週5日の時短正社員はリアルミーキャリア、35歳以下でビジネス職経験がありリモート正社員を希望する場合はRemoful、在宅・時短・業務委託を含めて探す場合はママワークスの対象条件を確認できます。
再就職後の賃金が下がった場合
再就職手当を受けた人が同じ再就職先で6か月以上雇用され、再就職後6か月の賃金日額が離職前より低い場合は、「就業促進定着手当」の対象になる可能性があります。再就職手当とは別の要件と申請があるため、給与明細や雇用条件を保管しておきましょう。
公式情報
- 基本手当・再就職手当Q&A(厚生労働省)
- 再就職手当及び就業促進定着手当の概要(厚生労働省・PDF)
- 就職促進給付(ハローワークインターネットサービス)
- 仕事をお探しの方のよくある質問(ハローワークインターネットサービス)
- 再就職手当支給申請書の注意(ハローワークインターネットサービス)
- 再就職手当のご案内(ハローワークインターネットサービス・PDF)
2026年10月21日に公式情報を確認しました。基本手当日額の上限は毎年8月1日に変更される可能性があります。この記事は一般的な制度整理であり、支給を保証するものではありません。就職日・応募経路・雇用契約・支給残日数を管轄ハローワークへ提示し、個別に確認してください。
妊娠・出産・育児のため退職後すぐに求職を始められない場合は、失業手当の受給期間延長の条件・期限・必要書類を先に確認してください。


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